解説リファレンス|実践

模擬試験の進め方

模擬試験の準備・実施・振り返りの進め方と、関連する案件を含む3つの演習を収録する。

第 10 章 / 全 12 章

学習ゴール

模試の3段階

段階実施内容所要時間
準備時間・案件数・振り返りの観点を決める5分
実施時計を見ながら本番同等で解く60〜90分
振り返り6観点別に良かった点と弱点を分類20〜30分

回数より質

量をこなすより、1回ごとに弱点を特定し次回の重点課題を決める方が効率的である。振り返りの手順は第11章で扱う。

演習1:急な顧客トラブル(3件)

設定:ITサービス部門の課長として着任2週間目。前任の佐藤課長は体調不良で急に退職した。目安15分で、先に自分の答案を書いてから解答例と比べる。

案件A:大口顧客からのクレーム(営業部 鈴木主任から)

本日9時ごろ、大口顧客A物流の田中部長から電話があった。先週金曜に納品した在庫管理システムの更新で、一部の倉庫の在庫データに不整合が出ている。「今週中に改善されなければ契約見直しを検討する」とのこと。開発担当の山田さんによると、原因の特定には最低2日かかる。至急、対応方針を指示してほしい。

案件B:有給休暇の申請(開発担当 山田さんから)

来週水曜から金曜の3日間、有給休暇を申請します。子どもの学校行事と通院の予定があります。

案件C:マネジメント研修の案内(人事部 教育研修課から)

来月15日(金)に新任管理職向けマネジメント研修を行う。参加希望は今週金曜までに連絡。業務の都合で参加できない場合は、3か月後の次回に参加できる。

演習1の解答例と振り返り

案件A(A:最優先)

判断:A物流への対応を最優先とし、本日中に初動を行う。理由:大口顧客の業務に影響が出ており、契約見直しの可能性もあるため。指示:午前中に鈴木主任から詳細を聞き、山田さんに原因調査を指示して明日中に中間報告を受ける。本日中に私から田中部長へお詫びと受領の連絡をし、原因が確定していなくても今週木曜に経過(判明した原因・暫定対策・未確認事項)を報告する予定を伝える。部長には本日中に概要と方針を報告する。

案件B(B:案件Aとの関連で調整が必要)

判断:休暇は取得する前提で、案件Aの調査との両立を本人と相談する。理由:山田さんは案件Aの調査担当で、休暇中の調査体制を決めておく必要がある。日程の変更を求めるのではなく、管理職が体制を整える。指示:今日中に山田さんと話し、休暇前までの調査計画と引き継ぎ先を決める。代わりの担当者を確保し、休暇前の勤務時間内に状況を共有してもらう。扱いに迷う点は人事に確認する。

案件C(C:通常対応)

参加を希望し、今週中に人事部へ連絡する。着任2週間で引き継ぎが優先だが、来月15日なら調整できると判断した。

振り返りの観点確かめること
問題発見力A物流の問題の深刻さと、契約見直しの可能性を捉えたか
意思決定力具体的な行動と期限を決めたか
組織活用力鈴木主任・山田さん・部長の役割を示したか
洞察力案件Aと案件Bに同じ山田さんが関わることに気づいたか
ヒューマンスキル山田さんの事情に配慮し、休暇の取得を妨げていないか
優先順位A→B→Cの順で処理したか

演習2:部下からの相談と期限のある依頼(2件)

設定:マーケティング部の課長。部下は6名。

案件D:個人的な相談(入社2年目 高橋さんから)

最近、先輩の中村さんから業務に関係のない雑用を頻繁に頼まれ、自分の業務が回らなくなっています。断ると「若手なんだから当たり前だ」と言われます。正直、精神的にもつらいです。メールでは書きづらいので、直接話したいです。

案件E:業績報告と目標設定の提出(部長から)

上半期の業績報告書と下半期の目標を、来週月曜までに添付の書式で提出してほしい。

解答例:案件D(A:ハラスメントの可能性)

判断:高橋さんとの面談を本日から明日中に設定する。理由:「精神的にもつらい」とあり、ハラスメントの可能性もあるため。指示:人目につかない場所で話を聞き、この段階では中村さんへの指導を急がない。相談内容を誰にどこまで共有するかは本人と確認し、必要に応じて人事部の相談窓口と連携する。先に中村さんへ注意すると、相談者が特定されるおそれがある。

解答例:案件E(B:期限あり)

来週月曜の期限に合わせ、各メンバーに上半期の実績データを水曜までに提出してもらい、木曜と金曜で報告書と目標を作成する。下半期の目標は部の方針と合わせるため、部長に事前の確認を依頼する。

演習3:予算と人員の判断(2件)

設定:システム開発部の課長。年度予算の残りは500万円。

案件F:追加開発の依頼(プロジェクトリーダー 佐々木さんから)

Bプロジェクトの顧客から、当初の仕様にない追加機能の要望があった。追加費用は約300万円で、顧客は費用を負担する意向だが、納期は変えないでほしいという。現在の人員では納期を守れず、2名の増員が必要。判断をお願いしたい。

案件G:資格取得の費用(若手 小林さんから)

クラウド関連の上級資格の取得を目指している。受験費3万円と教材費5万円を部の費用で負担してほしい。次のクラウド案件に活かせると考えている。

解答例:案件F(A)

判断:追加開発は条件付きで受ける方向で検討し、確認してから最終判断する。理由:顧客が費用を負担すれば売上になるが、納期と品質の両立にリスクがあるため。指示:佐々木さんに、追加機能の範囲と見積もりの精度、増員2名のスキル要件、納期リスクを明日中に整理してもらう。追加契約の条件は営業部と法務部に確認し、増員は他プロジェクトの状況を確かめて社内移動か外部委託を検討する。部長には概要と方針を報告し、追加契約の承認を上申する。納期が難しい場合は、段階的な公開を顧客に提案する。

解答例:案件G(C)

費用の扱いと決裁権限を規程で確認し、範囲内であれば承認する。次のクラウド案件への効果が見込めるため。小林さんには手配を進めてもらい、取得後に部内で知識を共有する機会を設ける。

自己採点の進め方

点数は合否の目安ではない

各項目を1〜5で自己評価すると、前回との変化を記録できる。合計点は自分の変化を見るためのもので、実際の試験の合否や配点を示すものではない。

やってみる:アプリのシナリオ演習

トップページで学習スタイルをExamに切り替え、「シナリオ演習」を選ぶと、1つの共通設定(役職・組織・当日の予定)にある7件を30分で続けて解ける。案件どうしの関係(同じ人物・予算・予定の重なり)に気づけるかを確かめる演習である。問題と解答例は生成AIで作成したもので、正しさは保証できない。

進め方の例

最初の3分で共通設定と7件を読み、関係のある案件に印を付ける。終わったら結果画面で各案件の解説を読み、上の「自己採点の進め方」の項目で振り返る。

参照導線