本サイトの学習用の分類・回答例です。実際の試験の公式正答や配点ではありません。回答例で補った期限や役割は、問題文の条件に合わせて見直してください。 教材の評価観点と前提
前任引継ぎや複数パターンの複合案件など、定型化しにくい案件群。前提条件の確認と要素分解、優先順位の高い要素からの着手が求められます。
高難度。A案件になりやすい。案件を要素に分解し、優先順位の高い要素から対応する。
複合案件は、一つの案件文に複数のパターンが折り重なった最高難度の出題です。典型例では、事故の発生、報道機関からの取材、顧客からの問い合わせ、法令上の報告義務が同時に走り、しかも情報が錯綜しているという状況が設定されます。ここで問われるのは、個々の対応の巧拙ではなく、絡み合った事象を要素へ分解し、着手順序を決める力です。すべてに同時に手をつけようとすると、どれも中途半端になります。要素分解と順序付け、そして並行して走らせる部分の切り分けという三段階の思考が必要になります。
A優先となるのは、含まれる要素の中に必ず最優先項目(人命・安全、法令、重大な信用毀損)が含まれるためです。ただし、案件全体をA優先とみなすだけでは不十分で、分解した要素ごとに優先度を再設定する必要があります。人命と安全が最上位、次に事実確認、そして情報発信の一元化、その後に個別の顧客対応と続くのが標準的な順序です。この順序が守られないと、たとえば事実が固まる前に対外発信を行い、後から訂正して信用をさらに損なうといった典型的な失敗が発生します。順序そのものが対策の中身になる、という点が複合案件の特徴です。
本件を、人命・安全、事実確認、対外広報、顧客対応、法令対応の五つの要素に分解します。第一に、負傷者の有無と現場の安全確保を現地責任者に確認させ、三十分以内の報告を求めます。第二に、本社と現地の双方で事実確認チームを編成し、確定した事実のみを集約する単一の記録を作らせます。第三に、報道機関への対応窓口を広報部門に一本化し、確認済みの事実に限って回答する方針を本日中に文書化します。第四に、顧客からの問い合わせには統一回答文を用意し、判明していない点は判明していないと明示します。第五に、法務と連携して報告義務の有無と期限を確認します。以上を統括する対策本部を本日中に立ち上げ、経営層へ即時報告します。
要素を列挙した後、それぞれの担当と期限、他の作業を待つ必要がある箇所まで示したかを確認します。安全確保は先行させつつ、連絡や記録の集約は別の担当が並行できます。すべての事実が確定するまで沈黙するのではなく、確認済みの内容と未確認事項を分けて伝えます。現場で判断できる範囲を残し、統括側への報告条件を決めることで、情報の一元化が現場の動きを止めていないかも見直します。