パターン15:コンプライアンス違反(不正行為)

本サイトの学習用の分類・回答例です。実際の試験の公式正答や配点ではありません。回答例で補った期限や役割は、問題文の条件に合わせて見直してください。 教材の評価観点と前提

カテゴリ:リスク・トラブルパターン

事故・コンプライアンス・情報セキュリティなど、組織の存続に関わるリスク案件群。最優先(A優先)扱いで、封じ込めと報告系統の即時起動が求められます。

優先度の目安:A優先(最重要・緊急)

自動的にA案件。適切な対応が強く求められる。証拠保全と守秘が重要。

出題される場面の読み解き

コンプライアンス違反の疑義は、匿名通報や内部からの相談という形で提示されます。案件文には具体的な氏名や取引先名が含まれることが多く、受験者に「まず本人に確認したい」という誘惑を生じさせます。これが最大の落とし穴です。被疑者への先行接触は、証拠の隠滅と通報者の特定という二つの取り返しのつかない事態を招きます。管理職に求められるのは、事実の確認ではなく、調査可能な状態を保全することです。具体的には、権限の凍結と証憑の保全、そして正式な調査体制の組成であり、いずれも自分ひとりでは完結しません。

なぜこの優先度になるのか

A優先が自動的に決まる案件です。理由の第一は、時間の経過が証拠の散逸を招くことで、金銭に関わる不正は記録の改竄や削除が容易なため、権限凍結の遅れがそのまま立証の失敗につながります。第二に、通報者の保護には時限性があり、対応が遅れるほど社内で噂が広がり特定リスクが上がります。第三に、経営層への報告が遅れると、後になって「知っていて放置した」という組織的な隠蔽の疑いを招きます。事案そのものの大小にかかわらず、認知した時点で正規の手続きを起動することが唯一の正解です。

回答の骨格(誰に・何を・いつまでに)

  1. 事実関係の慎重な確認
  2. コンプライアンス部門・法務部門への相談
  3. 上位者への報告
  4. 証拠の保全
  5. 関係者への守秘義務の徹底

よくある失敗

回答例文

通報者の匿名性を厳守したうえで、本日中に監査部門・法務・人事へ連絡し、正式な調査体制の組成を依頼します。私自身は被疑者への接触を一切行いません。情報システム部門には、対象者の会計システムへのアクセス権限と取引承認権限の一時的な制限を、調査目的である旨を伏せた形で依頼します。関連する発注記録と証憑の保全を経理部門へ要請し、通常の業務フローに見える形で実施させます。経営層へは正規の報告ルートで本日中に第一報を入れ、以後の情報共有範囲を限定します。部署内では通常業務を継続させ、憶測が広がらないよう情報統制を徹底します。

答案を振り返る観点

疑義を確定した不正として扱っていないか、情報の共有先を正規の窓口に限定しているかを確認します。証憑の保全や権限の制限は、管理職が独断で命じるのではなく、調査担当と承認手続きを確認して必要な範囲で進めます。通報者の特定につながる共有を避ける一方、完全な匿名性を無条件に約束しない点にも注意します。経営層自身が関係する場合など、通常と異なる報告経路が必要かも検討します。

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