ケース021:パターン19「前任者の未完了案件」(上級)

ケース概要:前任者が放置していた顧客クレーム

前任者の引継ぎメモから、半年前の顧客D社のクレームが未解決のまま放置されていることが判明。先方からの再督促はまだない。

登場人物:田中部長

関係部署:営業部 / 品質保証部

テーマ分類:顧客対応

正解優先度:A優先(最優先)

前任者の未処理クレームはパターン19 の代表例で、発覚した時点から着任者責任となり対応が遅れると信頼損失を増幅させる A 優先案件です。先方からの再督促がないうちに、前任者と関係部署から未対応理由をヒアリングし社内方針を握ったうえ、着任挨拶を兼ねた謝罪と対応計画提示の一次連絡を本日中に行うのが定石です。並行して引継ぎチェック運用を制度化し同様の見落とし再発を防ぐとスコアが伸びます。パターン19「前任者の未完了案件」の型は解説リファレンス第8章「案件パターン別攻略」で体系的に確認できます。

案件文から読み取るべきこと

半年前の顧客クレームが未解決のまま放置されており、しかも先方からの再督促はまだないという状況です。この「督促がまだない」という一文が、この案件の最重要情報です。相手がまだ動いていない今この瞬間が、こちらから先手を打って信頼を回復できる唯一の時間帯であり、督促が来た時点でその機会は失われます。もう一つ確認すべきは、前任者が意図的に保留していた可能性です。社内的な判断があった案件を知らずにひっくり返すと、別の問題を引き起こします。経緯確認を先に置く順序が重要になります。

優先度判定の論拠

A優先とする根拠は、着任した時点で責任が自分に移っている点と、先手を打てる時間帯が限られている点です。半年放置された事実そのものは変えられませんが、発覚後の対応速度は評価の対象になります。相手から督促が来てから動いた場合、それまで放置していた事実を追認する形になり、信頼回復は著しく困難になります。社内的には緊急に見えない案件ですが、対外関係の観点では時限性が高い類型です。

よくある誤答

回答例文

まず前任者および関係部署へ、本件の経緯と未対応となった理由を本日中に確認します。社内的な判断で保留されていた可能性を排除するためです。確認結果を踏まえて上長と対応方針を握ったうえで、本日中に先方へ着任の挨拶を兼ねた連絡を行い、対応が遅れていることへのお詫びと今後の対応計画を提示します。具体的な回答期限は社内確認の所要日数を見込んで一週間後とし、その旨も併せて伝えます。並行して、引き継ぎ時に未完了案件を一覧で確認する運用を部内の標準手順として整備します。

模範回答の骨格

判断:Aランクとして本日中に事実確認と先方への一次連絡方針を決定する。

理由:放置クレームは発覚時点から着任者の責任となり、再発覚時の信頼失墜リスクが極めて大きいため。

対応:前任者と関係部署から経緯と未対応理由を即時聴取し、社内方針を上長と握ったうえで先方に着任挨拶を兼ねた謝罪と対応計画提示の一次連絡を行う。並行して再発防止のための引継ぎチェック運用を整える。

一次対応の後にやること

本件の解決後、引き継ぎメモに記載のあった他の案件についても同様の放置がないかを一括で点検します。前任者からの引き継ぎ内容と実態の差分を洗い出し、着任時のチェックリストとして残します。同種の見落としは組織的に発生するため、部門の引き継ぎ手順そのものの見直しを上長へ提案します。

関連リンク:パターン19「前任者の未完了案件」解説リファレンス:案件パターン別攻略(chapter08)