業界中堅C社から「貴社製品に関心がある。来月一度商談したい」とメール。具体的な金額提示はないが営業上の好機。
登場人物:伊藤主任
関係部署:営業部 / 法務部
テーマ分類:営業戦略
新規取引の打診はパターン3の代表例で、一次返信の遅れや無反応は商談機会そのものを失わせます。来月商談という猚予があるためB優先ですが、一次返信と担当営業の割り当てだけは本日中に行うのが定石です。あわせて法務確認と与信調査を商談前に完了させる段取りを組んでおくと、条件交渉の段階でリスクが表面化しても慌てずに対応できます。パターン3「新規取引・営業案件」の型は解説リファレンス第8章「案件パターン別攻略」で体系的に確認できます。
業界中堅企業からの関心表明であり、商談希望は来月、金額条件の提示はまだありません。前向きな案件ですが、金額が不明という点は、こちらが提案の方向性を主導できる余地があると同時に、相手の予算感が読めないリスクでもあります。来月という猶予は社内準備には十分ですが、一次返信を先延ばしにしてよい理由にはなりません。関心を示した相手は同時に競合にも接触している可能性が高く、返信の速さがそのまま検討順位に影響します。速い返信と慎重な社内準備を並行させる設計が求められます。
B優先とする根拠は、商談が来月であり社内準備に時間的余裕があることです。ただし、一次返信の部分だけを切り出すとA相当の即応性が必要になります。この案件を「返信」と「準備」の二層に分解できるかが判断力の指標です。また、新規取引には与信と供給能力の確認という不可避の社内手続きがあり、商談日から逆算して着手する必要があります。前向きな案件だからこそ、リスク確認の工程を省かない規律が問われます。
本日中に私から先方へ、関心をお寄せいただいた御礼と商談を歓迎する旨を返信し、日程候補を三案提示します。担当営業には適任者を指名し、商談日の一週間前までに先方の課題・導入時期・想定規模を把握する事前ヒアリングを行うよう指示します。並行して、経理へ与信調査を、法務へ標準契約書の適用可否確認を依頼し、いずれも商談の三営業日前までに結果を受け取ります。供給能力については製造部門へ想定数量を伝え、繁忙期との重なりを確認します。商談前日に担当営業と提案内容をすり合わせ、条件の下限を私が事前に決裁しておきます。
判断:Bランクとして本日中に一次回答し担当を割り当てる。
理由:新規取引機会で重要度は高いが、来月商談の余裕があり計画的な準備が可能なため。
対応:担当営業を選定し、本日中に受領と感謝の一次返信。来週までに先方ニーズを把握する事前ヒアリングを依頼し、法務・与信の確認手順を整える。
商談後は、先方の反応と競合の動きを担当営業から共有させ、提案内容の修正が必要かを判断します。受注に至らなかった場合も、理由を記録して次の新規案件に活かします。与信や法務の確認手順が滞りなく回ったかを振り返り、新規取引の標準プロセスとして部内に定着させます。