若手社員から定例レポート作業の自動化案が提案された。試算では月20時間の削減効果。導入は来期からでも問題ない。
登場人物:山本主任
関係部署:業務改善推進室
テーマ分類:業務改善
ボトムアップの業務改善提案はパターン11の典型で、頭ごなしに却下したり丸投げで放置したりすると現場の自走文化が一気に冷えます。緊急性は低い一方で効果が大きいため、B優先で本日中に提案者を推進役に任命し、PoC計画と費用対効果の試算を依頼するのが定石です。中間レビューと関係部署巻き込みをセットで設計し、来期導入の決裁ルートも上長と並行確認しておくと、人材育成と成果創出を両立できます。パターン11「業務改善提案」の型は解説リファレンス第8章「案件パターン別攻略」で体系的に確認できます。
提案の内容は定例レポート作業の自動化で、月二十時間の削減効果が試算されており、導入は来期からでよいという条件です。効果は大きく、緊急性は低い。この組み合わせは、放置されやすい典型的な条件です。しかし、提案してきたのが若手社員であるという点が最も重要な情報で、この提案への反応が、今後その若手が提案を続けるかどうかを決めます。試算の妥当性を検証する作業は管理職が行うべきものではなく、提案者自身に担わせることで、育成と検証を同時に達成できます。
B優先とする根拠は、効果が大きい一方で導入時期に余裕があることです。ただし、提案への一次反応だけは当日中に行う必要があります。提案から返答までの時間が長いほど、提案者は「関心を持たれていない」と受け取り、次の提案が出てこなくなります。組織の改善提案文化は、個々の提案の採否よりも反応速度で維持されます。案件そのものの優先度と、反応の優先度を分けて考えられるかが、この案件の核心です。
本日中に提案者へ返信し、提案を評価している旨と、本人を推進役に任命する意向を伝えます。具体的には、一週間で試行計画と費用対効果の再試算をまとめるよう依頼し、技術面の相談先として情報システム部門の担当者を紹介します。二週間後に中間レビューを設定し、私と関係部署の管理職が同席して実現上の障害を洗い出します。並行して、来期予算での実施可否と決裁ルートを上長へ確認します。導入が決まった段階で、提案者の貢献を部内で明示的に共有します。
判断:Bランクとして提案者を推進役に実現性検証を指示する。
理由:効果が大きいが緊急性は低く、若手の成長機会としても重要なため計画的に推進すべきため。
対応:提案者にPoC計画と費用対効果の試算を1週間で依頼。中間レビューを設定して情シスや関係部署と調整しつつ、来期導入の決裁ルートを上長に確認する。
導入後は、削減時間が試算どおりに実現したかを実測し、差分があれば原因を提案者とともに分析します。成功事例として部内へ共有し、他業務への横展開の可能性を検討します。提案から導入までの経緯を短い記録として残しておくと、次の提案者にとっての手本になります。