ケース015:パターン5「部下間の対立・人間関係トラブル」(中級)

ケース概要:部下二人の対立

若手社員2名がプロジェクト方針で激しく対立し、片方から「もう一緒に仕事ができない」とメールが届いた。プロジェクト納期は来月末。

登場人物:高橋課長

関係部署:人事部

テーマ分類:人材マネジメント

正解優先度:A優先(最優先)

部下二人のプロジェクト方針対立はパターン5の代表例で、納期遵守と離職リスクが同時進行するためA優先です。片方の言い分だけで判断せず、双方を個別に呼んで事実と感情を分離する一次ヒアリングを当日中に設定するのが鉄則となります。共通ゴール(納期遵守)への合意形成→役割分担の再設計→上長と人事への報告という三段階で進めると公平性を担保できます。パターン5「部下間の対立・人間関係トラブル」の型は解説リファレンス第8章「案件パターン別攻略」で体系的に確認できます。

案件文から読み取るべきこと

この案件では、対立の内容がプロジェクト方針をめぐるものであり、しかも納期が来月末に迫っています。つまり、人間関係の問題が業務成果に直結する時限装置を抱えた状態です。さらに、片方から「もう一緒に仕事ができない」というメールが届いており、離職または異動要求へ発展する可能性を示唆します。ここで読み取るべきは、対立の原因が個人の相性ではなく、方針決定の権限が曖昧なまま並走していた構造にある可能性です。感情の調停だけでは再発するため、業務設計への介入が必要になります。

優先度判定の論拠

A優先とする根拠は、納期という締切と離職リスクが同時に進行している点です。通常であれば部下間の対立はB優先ですが、来月末という納期が示されている以上、対立が解消しない限りプロジェクトの遂行が危うくなります。加えて、一方が限界を表明している状態は、数日以内に退職や異動の申し出へ発展し得ます。周囲のメンバーも対立を認知しているはずで、管理職が動かない状態が続くこと自体がチーム全体の士気を下げます。当日中に着手のシグナルを出すことが最小限の対応です。

よくある誤答

回答例文

本日中に双方へ個別に声をかけ、明日それぞれ三十分の個別面談を設定します。面談では、何がいつ起きたかという事実と、それをどう受け止めたかという感情を分けて聴き取り、私の判断は保留します。両者の話を突き合わせたうえで、原因が方針決定の権限の曖昧さにあると判断できれば、担当範囲と最終決定権を文書で再定義します。来月末の納期という共通ゴールを改めて共有し、当面は直接のやり取りを減らして私が経由する運用に切り替えます。経緯と対応方針は上長へ報告し、改善が見られない場合の選択肢についても人事と事前に相談しておきます。

模範回答の骨格

判断:Aランクとして本日中に双方の個別ヒアリングを設定する。

理由:プロジェクト納期と離職リスクに直結する人的問題で、片方の言い分だけで判断すべきではないため。

対応:双方を個別に呼び事情を聴取し、事実と感情を分離して整理する。共通ゴール(納期遵守)を再確認したうえで役割分担を再設計し、上長と人事に状況を報告する。

一次対応の後にやること

役割分担の再定義後は、二週間ごとに双方と短い個別確認を行い、運用が機能しているかを見ます。納期到達後は、プロジェクトの体制設計そのものを振り返り、意思決定の責任者が明示されていたかを検証します。同じ構造の対立は他のプロジェクトでも起こり得るため、体制設計時に決定権を明記する運用を部内標準とします。

関連リンク:パターン5「部下間の対立・人間関係トラブル」解説リファレンス:案件パターン別攻略(chapter08)