案件ごとの意思決定を場当たり的に行うと判断の質と速度がぶれます。フレームワーク化することで、限られた情報の中でも一貫した根拠で判断を下せるようになります。
本章では「事実確認 → 影響範囲評価 → 選択肢列挙 → 判断基準適用 → 指示・委任」の 5 ステップで意思決定を組み立てる手順を整理します。判断の根拠を 1 文で添える型は採点 6 軸の判断力/問題分析力を同時に押し上げます。
第2章で述べたとおり、意思決定力は最も配点が高いディメンションです。
インバスケットの案件は、意図的に判断しにくい状況が設定されています。
それでも「判断を示す」ことが求められます。
すべての案件で、以下の5ステップを3分以内に回せるようになりましょう。
案件: 重要顧客の山田商事から「御社の製品に不具合がある。今週中に回答がなければ取引を見直す」というメール。
毎回ゼロから考えるのは時間がかかるので、事前に「型」を持っておきます。
使うケース: 予算承認、企画承認、出張申請、有給申請など
使うケース: 顧客対応、トラブル対応、プロジェクト進行
使うケース: 二択・三択で判断を迫られる案件
使うケース: 自分の権限を超える案件(大規模な予算、人事異動、法的問題)
使うケース: 判断に必要な情報が不足している案件
重要: 「情報収集型」は便利ですが、多用は厳禁です。全案件の過半数をこの型で処理すると「判断を先送りしている」とみなされ、意思決定力が低評価になります。全体の2割以下にとどめましょう。
ただし、必ず暫定対応と調査指示をセットで書くこと。
どうしても判断がつかない場合、以下の優先順位で判断してください。
これは多くの企業が掲げる「顧客第一」の方針と一致するため、まず外れることはありません。
エンジニア向けの例え: 本番障害が発生したとき、「ユーザーへの影響を最小化する > サービスの信頼性を守る > チームの負荷を考慮する」の順で判断しますよね。同じ感覚です。
この章のまとめ: 意思決定は5ステップで回す。判断の「型」を5つ持っておく。情報不足でも暫定方針を示す。迷ったら顧客→会社→部下→自分の順で判断する。型を身体に染み込ませれば、3分以内で自信を持って判断を書けるようになります。
関連リンク:委任と組織活用の技術(chapter07) / 解説リファレンス(章一覧)