インバスケット試験は時間との戦いです。20件前後の案件を 60〜90 分で処理する場合、1案件あたりの平均処理時間は 3〜5 分にすぎません。配分設計を持たずに着手すると後半で時間切れになります。
本章では序盤の俯瞰時間・案件区分別の配分・終了直前の見直しの 3 段階で時間を設計する方法を整理します。「時間切れで白紙」を防ぐ最大の防御策は、開始直後の俯瞰で全体量を把握することです。
インバスケットにおいて、時間切れは最大の敵です。
20問中10問だけ完璧に書いても、残り10問が白紙なら合格はほぼ不可能です。評価は全案件の合計点で決まるため、白紙の案件はそのまま0点です。
> 鉄則: 全案件に何かを書く > 一部の案件を完璧にする
制限時間を3つのフェーズに分けて進めます。ここでは制限時間90分・案件20問を例に説明しますが、60分・15問の場合も同じ比率で調整してください。
目的: 全案件の概要を把握し、優先順位をつける
| やること | 目安時間 |
|---|---|
| 全案件をざっと読む | 10分(1件30秒) |
| 優先度をA/B/Cに分類 | 3分 |
| 関連案件にマークをつける | 2分 |
この段階では回答を書きません。案件用紙の余白に以下のメモだけ残します。
優先度の判断基準(詳しくは次章で解説):
目的: 全案件に解答を記入する
処理順序はA → B → Cの順で進めます。
| 案件の優先度 | 1件あたりの目安時間 | 解答量の目安 |
|---|---|---|
| A(5〜7件) | 4〜5分 | 5〜8行のしっかりした回答 |
| B(8〜10件) | 3分 | 3〜5行の要点を押さえた回答 |
| C(3〜5件) | 1〜2分 | 1〜3行の簡潔な回答 |
重要ルール: A案件でも1件5分を超えたら次に進んでください。完璧な回答1つより、70点の回答を全案件に書くほうが合計点は高くなります。
目的: 書き漏らしの補填と回答の質を上げる
| やること |
|---|
| 白紙の案件がないか確認 → あれば最低1〜2行書く |
| A案件の回答を見直し、判断理由や指示の具体性を補強する |
| 関連案件の相互参照を書き加える(「案件5と合わせて対応」等) |
| 委任先の指示に「期限」「報告方法」が入っているか確認 |
試験前に、フェーズごとの目標時刻を計算し、手首やメモ用紙に書いておきます。
A案件にのめり込むのを防ぐために、A案件全体の完了目標時刻を決めます。
Phase 2の最初に、全案件に1行ずつだけ方針を書いてしまう方法もあります。
これで全案件が「白紙=0点」になることを防げます。その後、A案件から順に肉付けしていきます。この方法は時間管理が苦手な人に特におすすめです。
「やばい、時間がない!」と気づいたときの対処法です。
対応: 全白紙案件に1〜2行の方針だけ書く。A案件のみ3行書く。
対応: 白紙案件に最低1行書く。既存の回答に判断理由を1文足す。
対応: とにかく書く。「○○を確認の上、部下に対応を指示する」の1文だけでも白紙よりはるかにマシ。
本番で時間配分が崩れないよう、事前に以下の練習をしましょう。
1. 模擬問題をタイマー付きで解く(第10章で提供) 2. Phase 1を繰り返し練習する(通読→分類の15分を5回以上練習) 3. 1件3分で書く練習をする(キッチンタイマーで3分計って1件書く)
この章のまとめ: 時間配分は「15分:60分:15分」の3フェーズ方式。全案件に書くことを最優先し、1件に5分以上かけない。白紙=0点を絶対に避ける。これだけ守れば、時間切れで不合格になることはありません。
関連リンク:優先順位づけの技術(chapter05) / 解説リファレンス(章一覧)